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「善良と傲慢」辻村深月ー自分をごまかさないで、失敗を受け入れるー

おすすめの小説は「傲慢と善良」です。

読むと心をえぐられて痛いです。

おすすめの小説を探すために自分の読書メモを読み返していたのですが、それだけで心がヒリヒリしました…

 

 

あらすじ

婚活のお話です。

受け身で奥手な真実とモテてきたけどフラフラしてたら結婚が遅くなったコミュ強の架が婚活の場で出会い、事件が起きます。

その事件の真相を探るにつれて、受け身で奥手、良い子に思える真実の別の一面が見えてきます。

プライドが高く、自意識過剰、自己愛が強い。

他人を値踏みする傲慢さ、自分が傷つかないように自分にも他人にも言い訳をする卑怯さ。

 

本来、表で語られないような人間のリアルな心情が緻密に書かれています。

 

刺さった一節

人間の傲慢さや自意識過剰な部分についての描写が嫌というほどあります。

以下は刺さった一節です。

 

婚活でうまくいかない時、自分を傷つけない理由を用意しておくのは大事なことなんですよ。自分が個性的で中身がありすぎるから引かれてしまったとか、資産家であるがゆえに、家の苦労が多そうだと敬遠されたとか、あるいは自分が女性なのに高学歴だから男性の側が気後れしてしまった…以下略

 

からしてみたら、そんなことどうだっていいのに、自分の物語をよく見せるためにどんどん話に尾ひれがついていくの。

辻村深月「傲慢と善良」

 

何かがうまくいかなかった時に無意識に自分が傷つかなくていい理由を考えることはありませんか?

私はあります。

 

自分が大学受験で〇〇大学を選んだのは、自分の学びたい分野で有名な先生がいたからだ。

もっともらしいですね。

でも本当は入れるなら△△大学に入りたかったけど、学力的に厳しかったから〇〇大学にしました。

それらしい理由をつけて、自分を納得させ、自分のプライドを守っていました。

 

自分が失敗した事実から目をそらし、傷つかないような理由をつくって自分をごまかす。

それっぽい理由をつくって、他人だけでなく、自分もだます。

 

目をそらすのではなく、むしろその事実を見つめてみたら?

自分が落ちたのは、自分の努力不足からだ。

自己管理能力の低さからだ。

じゃあどうする?

という考え方になります。

大学受験がうまくいかなかったという事実から、新たな成長があるでしょう。

事実から目をそらして、傷つかないようにすれば、その場で苦しみは軽減されるかもしれませんが、後々まで考えると得るものはありません。

失敗を受け入れ、次に活かせるようになりたいです。

 

まとめ

今週のお題「好きな小説」で書いてみました。

悪い一面って表で語られないだけで、どんな人にもありますよね。

「善良と傲慢」はかなりネットでも話題になっていましたが、その反響の大きさがこの真実の悪い一面がみんなに共通する、共感できるものである裏付けだと思います。

正直、他にも心に刺さった部分がまだまだあるので、是非読んでいただきたいです。

ちなみに、映画化するようでした。

架がキスマイの藤ヶ谷で真実が奈緒だそうです。

9/27放映開始です。

gomantozenryo.asmik-ace.co.jp

 

他の本でも、皆さんが読書で刺さった一節があったらぜひコメントで教えてくれると嬉しいです。

 

ちょっと前にちょうど小説について書いたので、そっちもぜひ。

小説を読むと自分の中の汚い感情を認められるよね、という話です。

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