田房英子さんの「キレる私をやめたい~夫をグーで殴る妻をやめるまで~」を読みました。
自分の感情のコントロールに悩んでいる人は必見です。
田房さんのことは別の著書「母がしんどい」で3年以上前から知っていました。
そちらも有意義でしたが、「キレる私をやめたい」はどうすればキレなくなるかということが筆者の実体験に基づいて、実際に行ったセラピーの内容含めて書いてあり、非常に分かりやすいですです。
同じ悩みを持った人が、悩みを解決できるような一冊になっています。
本書から私が得た学びを一部共有いたします。
「キレる」理由
キレる時って、すでに自分が傷つきすぎている時です。
自分ですでに自分のことをダメだと思っているから、そこにさらに自分がダメだと思わされるような出来事が加わった時に、爆発してしまう。
外部の刺激に敏感に反応してしまいます。
ちょっとしたことなのに、防御が低くなっているので大ダメージになっているようなイメージでしょうか。
これは自分自身すごく覚えのある現象です。
精神的に不安定で自分のことを「私は無能な人間で何の役にも立たない」と思っている時、ちょっとミスを指摘されただけで涙が止まらなくなって陰で泣いたりしていました。
そういう時は周りに人がいるだけで、自分の無能さを監視されていると疑心暗鬼にまでなります。
精神的に健康な時だったら間違いなく笑い飛ばしていただろうことを笑い飛ばせず、果てしなく落ち込んだり、取り乱したりしてしまうのです。
「キレる」をやめるには
それを解決する方法として本書に書かれていた有用な方法がゲシュタルトセラピーです。
ゲシュタルトセラピーについては下記リンクの説明が分かりやすいです。
過去や未来ではなく、今ここにいることを意識する。
今自分がどんな感情を持っているのか。
「状況ではなく、心に注目する」ということが繰り返し書かれていました。
例えば、嫌な上司がいて会社を辞めるか悩んでいる人に対して、
「会社を辞めた方がいい」
あるいは
「会社を辞めない方がいい」
と返事をしがちですが、これらはどちらも「状況」への返答です。
そうではなく、悩んでいる人がどんな気持ちなのか、「心」に注目して話しかけてあげることが重要だということのようです。
自分に対しても、「状況」に着目して自分を納得させる言葉をかけるのではなく、自分の中に生じた「心」に注目してあげることが癒しに繋がります。
以前私がカウンセリングを受けた時、先生に「感情は自覚的になった方がコントロールしやすい」と言われました。
その前まで、感情に自覚的になったら自分の感情が大きくなって飲み込まれてしまうのではないかと考えていたため、むしろ感情に蓋をして無視するようにしていました。
しかし、実際には自分の心に注目して、「あっ、私はこういう風に感じていたんだな〜」と思うことで元々あった感情が小さくなるような感覚がありました。
そのため、本書の「心」に注目する、自分の感情に気づくことが重要という記述には私の実体験からしても納得です。
その他にも本には有用なことがたくさん書かれていたので、ぜひ読んでみてください。
自分の感情の大波に飲まれてしまって辛い人には非常にためになる本です。
まとめ
本の最後にゲシュタルトセラピーを作ったフリッツ・パールズの言葉が引用されていました。
私は私のことをする。あなたはあなたのことをする。
私はあなたの期待に添うために、この世に生きているのではない。
あなたも私の期待に添うために、この世に生きているのではない。
あなたはあなた、私は私。
もし、たまたま私たちが出会うことができれば、それはすばらしい。
もし、出会うことがなくても、それはしかたないこと。
相手に期待せず、相手がただ存在していることに感謝すること。
とても難しいですね。
私はこの言葉はまだ完全には腹落ちしていません。
相手の期待に応えようとしたり、相手が自分の期待に応えないことを嘆いたりしがちです。
こんな凪のような精神状態に到達する日が来るのか分かりません。
それでもいつかはこの言葉を真に理解できるように、日々精進するつもりです。
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